hwb work diary 2007.1


1/31 並ぶ
朝、もうすぐ納品の01チェアとテーブルを塗装した。


既にオイルフィニッシュは施してあるので、ワックス塗りだ。

毛羽立ちなどおさえきれなかった部分を600番でドライサンディングし、クオリティーを高める。

完成してから一ヶ月くらい経過しているので、色も良くなっている。

だから、いつも思うんだけど、完成してから2ヶ月くらいしてから納品したいくらいだ。



1/30 木をみて山をみて
休みの日。
お店で家具の事を考えていた。大きな視点で。


大きな視点で考えてみたものの、結局、コツコツやるしかないみたいね。



1/28 夜に納品
早朝納品予定していたソファだが、打ち合せや製作の段取りがつかず、夜に変更してもらった。
僕としては、たとえ仕事が終わったあとの夜の納品でも楽しく行けるし、むしろ昼間に家具を作れるから、ありがたいくらいである。でも、「お客さんに申し訳ないなあ、、」と思う部分もあり、早朝に納品に行かせてもらう事が多い。

8時に到着し、2階へ階段で搬入。大きく重たいソファを縦て抱え込むようにして。いつも少しドキドキする。
待っていてくれたお客さんは、本当に喜んでくれ、手作りシフォンケーキまで焼いていてくれ、なんだが一気に疲れも吹っ飛んでしまう。それどころか、TV台の打ち合せもさせてもらい、さらに「将来ここにカップボードが欲しいんですよ」と、将来の話までしてくれ、本当に最高の気分です。


納品の時間のわがままや、打ち合せのスムーズさや、そういった部分を自慢にする事はない。でもでも、物を作る人でいるなりの力を注ぐべき部分は、物でしかないとも思う。

僕の作っている家具は、誰でも作れるという物ではなく、素材と向き合いながら、作っていくしかない。「いつももう少し良くできないか?」と自問自答しながら取り組んでいる。



1/25 ゆとりってさあ
僕はすごく忙しい。休みもまともにない。休みの日でも休みでない。それはずっとそうである。でも大丈夫、毎日昼寝もするし、3回ご飯も食べるし、本だって読める。ボーと天気をチェックしたり、季節を感じたりもしている。出たついでに油をうったりもできる。
遊びたい時にも休みたい時にも、ちゃんと十分に休んでいるから。

僕は毎日の日常こそ本当のことだと思っている。そう思ってしまえば、休みに期待しなくなる。それに、何より多くを望まなくなるし、何よりゆとりを持って毎日を生活できる。

「ゆとり教育」の事で少し気になった事がある。
週休2日って逆にゆとりがなくなるんではないかっと僕は思っている。

僕が小さい頃は土曜日は午前中は授業があって、午後から休みであった。
僕のおじいさんの営んでいた製造業も土曜日は3時までだった。
ものすごい土曜日が特別だった。ゆとりのある土曜日は素敵だった。

週休2日ペースは休みを中心に考えた場合で、本業を大事にしていないような気がする訳だ。
ある程度のゆとりを持つためにも、休みを少なくするというか、本業で人生を楽しむというか、、。
だから、小学校も昔みたいに午前中だけあって昼から休みにすればいいのに。


毎日、一生懸命に取り組める事があって、みんなが健康であれば、それでいいじゃんね。



1/21 どれも良くてね。
クルミ材とナラ材の選択で迷う方が多い。すごく理解できる。
ブラックウォールナットや、チェリーは迷う事は少ない。

クルミ材はナラ材に比べると柔らかいから、やさしい印象の家具になる。
ナラ材は、堅い材なので道具らしく誠実な印象になる。真面目な感じかなあ。


木を選択する時は、色目以外の部分も実は重要だと感じている。

僕の使っているパソコンテーブルの天板は、クルミ材だ。「このくらいの奥行きで、このくらいの長さのクルミ材だな!」と思ったから。実際、ホッとするね。
でもナラ材でも、ホッとするし、う〜ん、、、。

無垢材なら、案外大きな差はなく、なんでも満足できるのかもね。



1/19 早起きして昼寝をする。
木を触ってると、不思議と安心する。これって変態?
安心ついでに、作りたい形も浮かんでくる。
ホント、木に助けられているね。

そんな中、今更ながら思った。いろいろと家具屋はあるが、実際に家具を作っている家具屋って意外に少ないのかも、と。
良くも悪くも、事実、家具を作っている。
坦々と家具を作る事って、すごく地味な日常だと思う。朝早起きする事からはじまり、適度な緊張感の中、汗をかく。
ただただ、その日々の繰り返しである。

日々の目標は達成され、さらに挑むべき目標が現れる。
悔しいことは、自分が思うようにできない壁がある時だ。でもそれは、希望でもある。
うれしいことは、それを克服しようと、努力したくなる事だ。

2、3年の短い話ではなくて、20年、30年と、そういった日々を過ごしていけるとしたら、それこそ幸せである。

その長期的な努力を何に向けるかというと、単純だ。「よりいい家具を作れるようになる事」。
「いい家具を売る」事でない。
その辺りの事が、僕の大切な部分である。


スタッフの、ソウタやシュウヤもその日々を坦々と楽しめているような気がする。ふと、そう思えた。



1/18 組み立てる
ブラックチェリー材の格子ロウテーブル。
ようやく、組み終えた。
格子は組む前に、オイルフィニッシュする。

理由は、後から塗装するのは隙間的に手間だからである。オイルフィニッシュした本体はホコリがのらないように、お店で組み立てている。


ちょっとした段取り。



1/17 チェレンジ
作業のキリを付け、夕方、大須まで採寸にで出かける。鉄部品が関係してくるので、鉄モノの杉さんと待ち合わせて行く。
エントランスのトビラを作る依頼。
彫金屋さんのお店の入り口ドアだ。

で、打ち合せを進めていくうちに、ナラ材に決まった。そしてナラ材を科学反応させて変色させる事に決まった。

やってみたかった、古典的な深みのある木テクニックのひとつである。
これは楽しみだ。



1/15 01チェア
ナラ材の03テーブルが完成。イスはモーエンセンのものを合わせて使ってくれるそうで、光栄である。

よく似合うと思う。

巨匠モーエンセン、尊敬とかいうレベルでは語れない。なんだか、ほっとするんだ。



1/14 01チェア
01チェアを、一度に34脚製作したのは初めてである。

納品前の勢揃いの状態は、何かを待つ客席のようだ。





1/12 やっぱりな
魅力的な素材はやっぱりいい。素材好きな僕としては、その素材の状態だけでも、何時間みていても飽きない。

昔からそうである。
そういえば、僕がまだ学生10代だった頃の話。
課題で収納というテーマで小物をデザインしていた時である。1/1モデルも課題に含まれていたプロダクトデザイン。
ハンズやホームセンターは素材の宝庫であった。
その素材をどう使うか、どう利用するかをクリエイトせねばならい。
そんな素材の中で、商品棚の前でじ〜と触り続けていた素材は、真鍮、ゴム、木材、革、などの固まりだった。
特に真鍮のあの柔らかさは印象に残っている。黒いゴムも固まりになると魅力的だった。
木材に限っては、なんだこのへんてこりんな名前のへんてこりんな木目は?っといった具合だった。


素材を物にするのは、職人ですかね?



1/11 じつに
お客さんの顔を思い出しながら考え、提案し、製作図を作り、ようやく家具を製作する頃になると、他人事ではない。

格子の天板にガラストップのロウテーブルを製作している。このオリジナルは8年前に製作生み出した物だ。
何度となく製作してきたオリジナル家具。そのオリジナルを作るたびに思う事がある。

物作りに一生懸命になれる毎日がある。

家具屋としての仕事を通してではあるが、たくさんの人のライフスタイルに携われる事は、すばらしい事だと思っている。
家具は、日常生活で使う生活道具ではあるが、その背景には様々な泣き笑いドラマがある。

そのたくさんのドラマに、自分が生み出した家具が脇役としてあり続ける事は、感動に値する。



1/10 材料
午前、材料屋さんに仕入れに出向く。
チェリー材のぶ厚い材とナラ材の長い(4メーター)材を購入。
チェリー材は、ちょうどいいのがあった。

ナラ材は良すぎた。困った。一本で大きな家具を作る予定があるので、どうしても3300mmは必要なのだ。

必要な長さを確保できる材料は、とても奇麗な柾目材。
良すぎるなあ、、。
今更、お客さんに予算をアップしてもらう訳にもいかんし、、、。

こういう事ってよくある。そんでいつも身銭をきる。材料単価が年々上がっていく状況の中、材料屋さんと試行錯誤のすえ、決断し材料を購入。


材料を無駄にしないように、いくら材料にお金がかかっているか常に意識していないと大変である。
切り間違えれば、今日の仕事工賃は吹っ飛ぶ。


木は貴重なんだよ。大切にね。
少し先になると思うが、貴重な材料を無駄無く使い切るために、木の小物を作ろうとしている。
もちろん、その中でも適材適所は判断していくし、機能美的な物のあり方は求めていく。
楽しみにして欲しい。



1/09 活気
ブラックウォールナットの棚。抽き出しが一杯つく。
背中の板も同じ無垢材。
裏板だけ、違う低コストのもので代用しようなんて、既に有り得ないことだ。


なんでもない箱を、きちんと作って家具にするという事って実はむずかしいのだ。




1/07 活気
今日も、いろいろ相談をしてくれるお客さんが多かった。
「もう少し早く出会えていればなあ、、」とお客さん。

価格とそれに伴うクオリティーなどを冷静に見てもらえれば、家具の良も分かってもらえるのかも知れない。

結局、いい仕事を発揮できるようなデザインの物を作るという事や、自分の活かされる場所を知っているかどうかはすごく大切だと思う。
木だっていろいろだが、その素材の事を理解しそれに合う仕事をしてやる事をしないと、素材を殺す事だってある。

仕事もそうだ。そう思う。

自分が活躍できる事以外はしない。できるだけそうしたい。



1/06 自然と

休み明け早々だから、たぶんお客さんは少ないのかなと思っていたけど、すごく忙しかった。

お客さんが望んでくれて、それに精一杯答えようしている自分がいる。そんな日常に戻った。




1/04 仕事はじめ。

新しい年がはじまった。
正月は、穏やかに家族と過ごす事ができ、ゆっくりと休養させてもらった。

正月に、占いの本などを読んでいた僕は、結局のところいつも謙虚に生きていくしかなんだなと思った。どんなに年齢を重ねていっても超能力が使えるようになる訳でもなく、自分の手と体を動かすしかないのだ。

新しい年になり明日が来て、蓄積されていく事もあるけど、毎日リセットされていく事もある。
毎日、フレッシュでいるためには、自分達のこれからのための勉強や、それを持続していくための希望が必要なんだと思う。


希望を持って謙虚に挑んでいくことは、簡単ではないし、華やかではないけど、よっぽど素敵なような気がする。



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