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椅子は好きだ。単に座るための道具ではある。でも物として存在しているはずの椅子に対して、ある意味それ以上の空気を感じれる。やばい人と思わないで欲しいが、僕は椅子と会話をしている事が多い。椅子のまわりの空気を読んで感じ取り、「そうかいそうかい」と動かしては空気を読む。まるで、変人のような行動かもしれない。
人に使われている時のその場の食器の音や会話が連想されて来るからか、椅子を見ていると会話が聞こえてくるからだ。
来月、1人用(パパ用)のウッドアームソファを製作する。お店に展示してあるウッドアームソファに座って微笑んでいたその人を思い出しては、うれしくなる。
そのお客さんには、以前にチェリー材でカウンターチェアを作らせてもらった。そして、5年の歳月が流れ、来月子供用のカウンターチェアとパパソファを作らせてもらう事となった。
画像上のイタヤカエデ仕様の01チェアはイタヤカエデのダイニングと組み合わさって今週末納品する物である。
下の画像は新作の新しい構造を持つソファである。かなりの間温めてきた新作ソファが、こうやって今お店にある事は僕にとってすごくうれしい事なのだ。このソファとオットマンもダイニングテーブルと椅子といっしょに土曜日の午後に納品する。温めてきた新作のソファがお店に展示するより先にお客さんのお宅へ行く事は、正直寂しくもあるがそれ以上にうれしく感じる。最高のハレ舞台である。
「ベビーチェアも考えて欲しい」と相談を受けた。納品で仕事が終わってしまうそのお客さんとの関係は「ベビーチェア」という椅子で少し時間が延び、なんだかうれしかった。感覚を共感できる事に年齢差は関係ないが、同じくらいの年の夫婦ある。感覚を共感してもらえた部分が多く楽しく家具を作らせてもらった。
先月、02チェアとダイニングテーブルを納品させてもらったお客さんには、カップボードを考えさせてもらっている。仕事とはいえ、再会できる事は本当にうれしい。カップボードへの想いをしっかり受け止めれたのは、それだけ伝えてくれた事が背景にある。
さらに、先月ソファを納品させてもらったお客さんのお父さんの家に昔からあるソファのクッションの張替えを頼まれ、なぜか本業ではない「張替えを」するために椅子張り屋さんに事情を説明し頼んでいる。来月イタヤのまる脚のテーブルを作らせてもらうので、再会した時にはお父さんの感想を伝えたいと思う。「恐そうなお父さんだった〜」って。
僕は仕事ばかりしている。仕事と言ってしまえば味気なく感じるがそれが僕のライフワークである。僕のライフワークには、いろんな人との出会い、想いがあり、明日もがんばろうと想わせてくれる出来事が多く、物作りを通して感じる事はまさにライフなのである。 |
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